あなたの表現型は?
自分の「強み」を知ろう。

あなたの表現型は?

ベースラインライドとフィニッシュラインライドは、Zwift Academyのトレーニング成果を把握するためのベンチマークテストとして重要な役割を担っているだけでなく、サイクリストとしてのあなたの才能や特性を見極めるための重要な手がかりを与えてくれます。

ベースラインライドでは、持てる力をすべて出し切ってください。このライドから得られたデータを分析した結果がメールで届きます。

フィニッシュラインライドについても同様です。あなたの表現型を特定し、その結果をもとに作成されたカスタムワークアウトとトレーニングプランがメールで届きます。プログラム修了後も順調にトレーニングを進めることができます。

両方のライドには同じセグメントが3つ含まれています。

表現型とは?

表現型(フェノタイプ)とは、あなたが生まれ持った形質のことです。たとえば、スプリンターやタイムトライアリストは、サイクリストの「表現型」と言えます。あなたが生まれつき瞬発力と強靭な脚力に恵まれているのか、無酸素ゾーンでの高強度エフォートに向いているのか、高出力を長時間維持する能力に長けているのか、パワープロフィールを見れば一目でわかります。

3つのテストセグメント

これらのセグメントは、3つの異なるエネルギー代謝システムに対応しています。各セグメントのデータを分析することで、あなたの「エンジン」を理解し、得意分野と苦手分野を把握することができます。この情報は、あなたに最適なワークアウトやトレーニングプランを推奨するために使用されます。

もっと掘り下げて説明しましょう。「生体のエネルギー通貨」と呼ばれるアデノシン三リン酸(ATP)は、生成される速度と持続時間がエネルギー代謝システムによって異なります。このため、エフォートの長さと強度に応じて、ATPを生成する主なエネルギー代謝システムが切り替わります。これについては後ほど詳しく説明します。

  • ATP-CP系: クレアチンリン酸系、フォスファゲン系、ATP-PCr系などの別名で呼ばれ、1秒から20秒のごく短い時間で大量のATPを生成可能。
  • 無酸素系: 解糖系とも呼ばれ、20秒から120秒程度のエフォートでそこそこのATPを生成可能。
  • 有酸素系: 酸化系とも呼ばれ、ほぼ永続的に少量のATPを生成可能。

運動時のエネルギー需要を満たすために、これらすべてのエネルギー代謝システムが常に同時に働いていることを忘れないでください。

結果を理解する

ベースラインライドを完了すると、ライドデータの分析結果がメールで届きます。このメールには、あなたの表現型も提示されています。今年のプログラムでは、次の3つの表現型を使用します。

Sprinter/スプリンター

パワフルな瞬発力が求められるのは、純粋なスプリンターだけではありません。スプリントワークには総合的なフィットネスを向上させる効果もあり、あらゆるタイプのサイクリストに有益です。スプリントトレーニングに取り組むことで、筋肉中のクレアチンリン酸をエネルギー源として利用する神経筋パワーが向上します。

スプリント能力を鍛えることで、瞬間的なピークパワーが向上し、疲労耐性が高まり、グループライドやレースでサージを何度でも繰り返せるようになります。

ベースラインライドとフィニッシュラインライドには、あなたのATP-CP系エネルギー代謝能力をテストする短いハードな区間があります。3つあるテストセグメントのうち、このセグメントで最も優れた実力を発揮できれば、あなたの表現型は「スプリンター」です。

Pursuiter/パーシューター

高強度のショートエフォートでは、ほとんどのエネルギーは無酸素系で生成されます。酸素を利用することなくエネルギーを生み出します。

登りでアタックをしかけたり、後ろから追いついてきた集団に飛び乗ったり、MTBでハードなテクニカルなセクションを通過したり、このような状況では主に無酸素系が働きます。

ハードエフォートで高出力を打ち出せる能力を養うことで、ピークパワーを押し上げ、ワークアウトでもレースでも、最小限のリカバリーで同じようなエフォートを繰り返せるようになります。

ベースラインライドとフィニッシュラインライドには、あなたの無酸素系エネルギー代謝能力をテストするLegends and Lava KOM/QOMがあります。3つあるテストセグメントのうち、この中程度の登りの区間で最も優れた実力を発揮できれば、あなたの表現型は「パーシューター」です。

Time Trialist/タイムトライアリスト

サイクリングなどの運動中は、酸素を用いて脂質と糖質(炭水化物)を分解し、エネルギーを取り出す有酸素系エネルギー代謝システムを主に利用します。私たちが長時間運動できるのは、この有酸素系のおかけです。

有酸素系を発達させることで、長い登りやタイムトライアルで強くなることができ、レースペースのグループライドで主導権を握れるようになります

ベースラインライドとフィニッシュラインライドには、あなたの有酸素系エネルギー代謝能力をテストするVolcano KOM/QOMがあります。3つあるテストセグメントのうち、この長い登りの区間で最も優れた実力を発揮できれば、あなたの表現型は「タイムトライアリスト」です。

結果を応用する

パフォーマンステストを行う理由とその方法を理解できたと思います。次は、テスト結果をトレーニングに応用します。パフォーマンステストで明らかになったあなたの表現型をもとに、得意分野をさらに伸ばし、苦手分野を克服しましょう。

Sprinter/スプリンター
  • 得意分野: スプリンターはその名のとおり、スプリント能力に長けています。この得意分野をさらに伸ばすには、高出力でのショートインターバルやジムでの筋力トレーニングに取り組み、スプリントのテクニックに磨きをかけましょう。
  • 苦手分野: スプリンターの弱点はスタミナがないこと。長丁場のレースでは後半勢いをなくしてしまいがちです。この苦手分野を克服するには、ゾーン2でのエンデュランスライドやスイートスポットトレーニングにもっと力を入れて取り組む必要があります。最後まで集団に生き残れるように、持久力アップを目指しましょう!
Pursuiter/パーシューター
  • 得意分野: パーシューターは、おおむね最大酸素摂取量(VO2 max)が高く、持ち前の優れた心肺機能のおかげで高出力を5分程度維持するのは朝飯前です。名前の由来は、トラック競技のパーシュート。5分間のエフォートでさらに出力を上げるために、VO2 maxトレーニングに取り組みましょう。
  • 苦手分野: パーシューターはスプリントやバーストエフォート、テンポペースでのロングライドが苦手です。スプリントワークとFTPワークの両方に力を入れて取り組んで弱点を補い、オールラウンダーを目指しましょう。
Time Trialist/タイムトライアリスト
  • 得意分野: タイムトライアリストは、高出力でのエフォートを長時間持続できる優れた運動能力の持ち主です。この能力にさらに磨きをかけるには、イージーペースのロングライドとFTPワークアウトに取り組みましょう。
  • 苦手分野: タイムトライアリストが最も苦手とするスプリント。この苦手分野を克服するには、高出力でのショートインターバルやジムでの筋力トレーニングに取り組み、スプリントのテクニックに磨きをかけましょう。

「なりたい自分」を目指して 

今年のZwift Academyでは、自分自身についてもっと理解し、自分の才能を伸ばし、弱点を克服することができると思います。最も重要なのは、あなたが理想とする結果を達成するために何に重点を置いて取り組むべきかを理解することです。「知は力なり」です。今の自分を理解し、あなたがアスリートとして望む新しい「自分」を手に入れてください。